病院指標
令和7年度 水島協同病院指標
- 年齢階級別退院患者数
- 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
- 成人市中肺炎の重症度別患者数等
- 脳梗塞の患者数等
- 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
- リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
- 血液培養2セット実施率
- 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
- 転倒・転落発生率
- 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
- 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
- d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
- 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
- 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数
| 年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 患者数 | – | 21 | 35 | 81 | 181 | 295 | 569 | 664 | 231 |
2025年6月1日から2026年5月31日までのDPC対象入院患者様(総数:2,083名)の年齢構成を示します。
20歳未満:6名(0.3%)、20~59歳:318名(15.3%)、60歳以上:1,759名(84.4%)
日本の高齢化社会を反映し、60歳以上の患者様が全体の約8割強(5分の4以上)を占めております。
※構成比は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
内科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 040081xx99x0xx | 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし | 94 | 29.53 | 20.49 | 18.09 | 83.67 | |
| 110310xx99xxxx | 腎臓又は尿路の感染症 手術なし | 50 | 16.84 | 13.42 | 16.00 | 77.78 | |
| 050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 44 | 21.45 | 17.31 | 11.36 | 84.05 | |
| 110280xx9900xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし | 29 | 19.28 | 11.00 | 13.79 | 73.86 | |
| 0400802499x0xx | 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし | 27 | 14.04 | 16.10 | 7.41 | 84.41 |
地域の高齢化に伴い増加している誤嚥性肺炎や市中肺炎、心不全、腎・尿路感染症など、頻度の高い一般的な内科疾患を中心に診療を行っています。 特に誤嚥性肺炎や心不全は高齢者に多く、心不全については「心不全チーム」を中心に、多職種が連携して適切な医療とケアを提供しています。
また、当院は73床の透析病床を有し、現在約200名の患者様に透析治療を行っているため、腎疾患の患者様にも数多く対応している点が特徴です。腎・尿路感染症や慢性腎疾患などの増加にも対応し、必要に応じて他診療科や地域の医療機関と連携しながら、患者様の状態に応じた治療と支援を行っています。
地域の高齢化に伴い増加する内科疾患に対し、入院治療、栄養管理、リハビリテーションを含めた総合的な支援を行い、安心して療養できる体制を整えています。
外科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 090010xx99x4xx | 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり | 32 | 1.81 | 3.40 | 0.00 | 55.72 | |
| 090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし | 28 | 10.36 | 9.76 | 0.00 | 70.25 | |
| 060050xx99040x | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし | 21 | 1.10 | 7.62 | 0.00 | 63.10 | |
| 090010xx02xxxx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) | 15 | 7.13 | 5.44 | 6.67 | 68.47 | |
| 060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 13 | 4.15 | 4.56 | 0.00 | 69.92 | |
| 060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 13 | 13.31 | 8.76 | 0.00% | 76.69 |
地域で多くみられる一般外科疾患を中心に幅広い診療を行っています。急性胆のう炎、鼠径ヘルニアなどの良性疾患の手術に加え、乳がんや肝がんをはじめとする固形がんの治療にも対応しており、昨年度は抗がん剤治療の件数が増加しました。乳がん治療では、抗がん剤治療に伴う脱毛を軽減するパックスマン・スカルプクーリングシステムを導入し、患者様の療養環境の改善にも取り組んでいます。
腹部手術では腹腔鏡手術の割合が年々増加しており、低侵襲化により平均在院日数の短縮にも寄与しています。また、固形がんに対する化学療法や終末期の受け入れも担い、往診を行う医療機関と連携しながら、患者様の希望に応じた療養の場を提案しています。
地域の要望に応じて認知症の方でもお断りせず受け入れています。大腸ポリープ切除術後の経過観察入院については、内科と協力しながら外科も分担し、地域のニーズに応じた診療体制を維持しています。
眼科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 | 103 | 2.10 | 4.24 | 0.00 | 77.95 | |
| 020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 | 79 | 2.01 | 2.47 | 0.00 | 75.85 |
近年の高齢化に伴い、白内障手術を希望される患者様が増加しています。
当院では、標準化された周術期管理により、多数の白内障手術を実施し、1泊2日の短期入院での治療を行っています。
泌尿器科
| DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 11012xxx02xx0x | 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし | 26 | 3.27 | 5.16 | 0.00 | 68.46 | |
| 110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり | 19 | 2.00 | 2.45 | 0.00 | 72.21 | |
| 110070xx02xxxx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 | 18 | 9.50 | 6.77 | 0.00 | 75.17 | |
| 110070xx03x0xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし | 10 | 9.60 | 6.79 | 0.00 | 76.90 | |
| 110200xx02xxxx | 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 | 10 | 10.20 | 7.77 | 0.00 | 81.60 |
救急患者様の受け入れを積極的に行っていることもあり、尿路結石症およびそれに随伴する尿路感染症に対して多数の治療を行っています。 経尿道的尿路結石砕石術(TUL)を中心に、内視鏡下破砕手術や体外衝撃波結石破砕術など多様な治療選択を有し、クリニカルパスを用いて安全かつ標準的な入院治療を提供しています。
また、前立腺癌や膀胱腫瘍の増加に伴い、診断および適切な治療提供のため、前立腺生検や経尿道的腫瘍切除術(TUR-Bt)を積極的に行っています。 前立腺肥大症に対しても経尿道的前立腺切除術(TUR-P)を実施し、排尿障害の改善に努めています。
地域の高齢化に伴い増加する泌尿器疾患に対し、急性疾患から慢性疾患まで幅広く対応し、地域の医療機関や他診療科と連携しながら、安心して治療を受けられる体制を整えています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
| 初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
| 胃癌 | – | – | – | – | 1 | 8 | ||
| 大腸癌 | – | – | – | – | 15 | 1 | 8 | |
| 乳癌 | 23 | 43 | – | – | – | 26 | 1 | 8 |
| 肺癌 | – | – | – | 1 | 8 | |||
| 肝癌 | 19 | – | – | 11 | 1 | 8 | ||
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
患者数としては乳がんが最も多く、次いで大腸がん、肝がんの順となっています。
当院では、手術だけでなく抗がん剤治療(化学療法)を行える体制を整え、患者様一人ひとりに合わせた適切な治療法を選択・総合管理しています。なお、放射線治療など当院での対応が難しい治療については、地域の専門医療機関と連携し、スムーズな紹介を行っています。
※がんを疑った検査入院において、退院時に検査結果が未確定のケースもあるため、病期分類(Stage)が「不明」と分類される症例も含まれています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
| 患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
|---|---|---|---|
| 軽症 | – | – | – |
| 中等症 | 27 | 12.19 | 75.93 |
| 重症 | 14 | 21.86 | 87.86 |
| 超重症 | – | – | – |
| 不明 | – | – | – |
入院患者様のうち、小児肺炎および誤嚥性肺炎を除く肺炎を「成人市中肺炎」として定義し、その重症度分類を示しています。
当院では中等症の患者様が多く、その平均年齢は約75歳と後期高齢者が大半を占めています。高齢の患者様では重症化リスクも考慮し、早期からの治療と早期リハビリテーションに努めています。
脳梗塞の患者数等
| 発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
|---|---|---|---|---|
| 3日以内 | 23 | 148.09 | 79.91 | 13.33 |
| その他 | – | – | – | – |
脳梗塞(ICD-10:I63$)に分類される症例の割合が高く、特に発症日から3日以内の急性期脳梗塞が集計対象全体の約8割を占めています。急性期脳梗塞の患者様の平均年齢は80歳と、後期高齢者が大半を占めているのが特徴です。
当院では治療と並行して早期からリハビリテーションを実施しており、多くの患者様がご自宅や施設へ退院されています。また、継続的なリハビリが必要な患者様につきましては、回復期リハビリテーション病院等の専門医療機関へ転院調整を行っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
外科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K6182 | 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 25 | 3.24 | 22.32 | 72.00 | 79.36 | |
| K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 19 | 0.16 | 4.58 | 0.00 | 65.21 | |
| K4763 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 16 | 1.00 | 8.25 | 0.00 | 71.94 | |
| K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 15 | 0.87 | 5.27 | 6.67 | 68.47 | |
| K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 13 | 0.38 | 2.77 | 0.00 | 69.92 |
固形がんに対する抗がん化学療法を積極的に行っており、薬剤の血管漏出予防や治療の安全性向上のため、中心静脈ポートや抗悪性腫瘍剤持続注入用植込型カテーテルの造設を多数実施しています。がん終末期の支援にも取り組んでおり、往診を行っている医療機関と連携し、患者様のご要望に応じた療養の場を提案しています。
また、経口摂取が困難な長期療養状態の患者様に対しても中心静脈ポートを活用し、栄養管理や薬剤投与を含めた継続的な支援を行っています。乳腺悪性腫瘍手術や腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術など、一般外科領域の手術にも幅広く対応し、地域のニーズに応じた外科医療を提供しています。
内科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K664 | 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 等 | 26 | 52.92 | 204.88 | 46.15 | 77.50 | |
| K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) | 23 | 49.78 | 42.35 | 17.39 | 80.17 | |
| K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 | 16 | 3.44 | 3.06 | 12.50 | 72.38 | |
| K6182 | 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | – | – | – | – | – | |
| K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) | – | – | – | – | – |
嚥下障害や長期療養が必要な高齢者に対する胃瘻造設術(PEG)を多く実施しており、他医療機関や介護関連施設からの紹介患者様を中心に対応しています。手術後は紹介元へ円滑に戻れるよう、患者様に応じた退院支援を行い、スムーズな連携を図っています。
当院は73床の透析病床を有し、約200名の患者様が透析治療を受けているため、シャントに関係する手術・処置も多く、緊急の経皮的シャント拡張術・血栓除去術にも対応できる体制を整えています。また、内視鏡的大腸ポリープ切除術などの内視鏡治療も行い、早期発見・早期治療に努めています。
眼科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) | 182 | 0.04 | 1.02 | 0.00 | 77.04 |
地域の高齢化に伴い増加している白内障に対し、水晶体再建術(眼内レンズ挿入術)を中心に多数の手術を実施しています。 標準化された周術期管理により、術前・術後の日数を最小限に抑え、1泊2日の短期入院で安全に治療を受けられる体制を整えています。
転院率も低く、術後の経過が安定していることから、地域の皆さまが安心して白内障手術を受けられる環境を提供しています。
泌尿器科
| Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) | 29 | 1.00 | 7.55 | 0.00 | 76.17 | |
| K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) | 24 | 1.17 | 1.13 | 0.00 | 67.58 | |
| K8411 | 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) | 10 | 1.00 | 8.20 | 0.00 | 81.60 | |
| K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | – | – | – | – | – | |
| K830 | 精巣摘出術 | – | – | – | – | – |
膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的腫瘍切除術(TUR-Bt)を多数実施しており、内視鏡手術を中心とした低侵襲治療に取り組んでいます。 また、尿路結石に対しては、破砕用レーザーや軟性尿管ファイバーを用いた経尿道的内視鏡手術(TUL)を行い、従来より広範囲の結石に対応できる体制を整えています。
前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術(TUR-P)についても、高齢化に伴い増加する排尿障害に対し、安全で標準化された治療を提供しています。これらの内視鏡手術を中心に、患者様の負担を軽減しながら、安全で標準化された周術期管理を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
| DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
|---|---|---|---|---|
| 130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | – | – |
| 異なる | – | – | ||
| 180010 | 敗血症 | 同一 | 10 | 0.48 |
| 異なる | – | – | ||
| 180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | – | – |
| 異なる | – | – | ||
| 180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 26 | 1.25 |
| 異なる | – | – |
手術・処置等の合併症においては透析に関連するものが多く、シャント閉塞や狭窄、透析低血圧などのトラブルに対する処置・治療目的の入院が大半を占めています(当院では透析患者様のシャントトラブル等に迅速に対応できる体制を整えています)。
また、敗血症については、入院時点で既に発症していた症例、および入院後の治療過程で発症した症例が集計対象となっています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
| 肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
|---|---|---|
| 151 | 142 | 94.04% |
当院では、肺血栓塞栓症の発症リスクの高さに関わらず、原則として物理療法以上の予防対策を実施しています。ただし、中等度以上の下肢虚血症状がある場合や、長期臥床状態で術後も歩行の可能性がない患者様は除外対象となります。
予防方法としては、弾性ストッキングの着用(浮腫や高度な痩せなどで装着が困難な場合は専用の弾性包帯を使用)およびフットポンプの使用(※術前に静脈瘤やDVT(深部静脈血栓症)と診断されている場合を除く)を行っています。さらに、高リスクと判断される患者様に対しては、抗凝固薬を併用して万全を期しています。
血液培養2セット実施率
| 血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
|---|---|---|
| 905 | 835 | 92.27% |
重症感染時には菌血症(血液中に細菌がいる状態)を伴うことが少なくありません。血液中の細菌を検出する血液培養検査は、1セット採取よりも2セット採取の方が検出感度に優れており、原因菌の特定や採血時の汚染(コンタミネーション)の判定においても極めて重要です。
当院における2セット実施率は約90%と高水準を維持しています。複数セット採取率向上のため、2009年度より「血液培養2セット」として検査室から専用トレイで2セット分を払い出すシステムへ変更し、院内での周知・広報を定期的に実施してきました。現場スタッフの協力・努力により、複数セット採取の運用が定着しています。
なお、複数セット提出に至らなかった要因としては、患者様の採血困難等の理由により2セット分の検体が採取できず、やむを得ず1セットのみとなったケースがほとんどです。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
| 広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
|---|---|---|
| 50 | 41 | 82.00% |
広域抗菌薬を使用する際の細菌培養検査には、検査結果に基づいて抗菌薬を適切な狭域抗菌薬へ変更することで耐性菌の発生を防止すること、および治療を最適化するという「感染症治療」と「院内感染対策」の双方において重要な意義があります。
当院では、この抗菌薬適正使用を推進する文化が定着・維持されており、細菌培養の実施率は8割を超える高い水準となっています。また、広域抗菌薬処方の際には届出申請を必須とし、申請様式内に「培養検査提出の有無」を確認するチェック項目を設けるなど、システムの面からも高い実施率の維持に貢献しています。
転倒・転落発生率
| 退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生した転倒・転落件数 (分子) |
転倒・転落発生率 |
|---|---|---|
| 43629 | 368 | 8.43‰ |
入院における転倒・転落事故は医療機関で多く報告される事例であり、その背景には入院による環境の変化や、疾患・治療・手術に伴う身体機能の変化など、様々なリスク要因が存在します。転倒・転落を完全に防止することは極めて難しく、時には重大な傷害につながる場合もあります。そのため、予防対策においては、①個々の患者様のリスクを把握して事故の発生を可能な限り防ぐこと、②万が一事故が発生した場合でも被害を最小限に抑えること、という2つの視点からの取り組みが重要となります。
当院では、高齢化に伴う認知機能低下がみられる患者様の増加により予防が難しくなっている現状を受け、個別リスク評価と環境調整の強化に努めています。また、転倒・転落防止対策に伴うスタッフの負担軽減も重要課題と捉えており、その対策として新たな転倒防止用具の導入・活用を進めています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
| 退院患者の在院日数の総和 もしくは入院患者延べ数(分母) |
退院患者に発生したインシデント 影響度分類レベル3b以上の 転倒・転落の発生件数(分子) |
転倒転落によるインシデント影響度 分類レベル3b以上の発生率 |
|---|---|---|
| – | – | – |
※分子の値が10件未満と小さく、医療の質として良好な結果ですが、値が小さすぎるため「-(ハイフン)」で表示することになります。
入院における転倒・転落事故は医療機関で多く報告される事例であり、その背景には入院による環境の変化や、疾患・治療・手術に伴う身体機能の変化など、様々なリスク要因が存在します。転倒・転落を完全に防止することは極めて難しく、時には重大な結果をもたらす場合もあります。そのため予防対策においては、①個々の患者様のリスクを把握して事故の発生を可能な限り防ぐこと、②万が一事故が発生した場合でも患者様に及ぶ被害を最小限に抑えること、という2つの視点からの取り組みが重要です。
なお、当院指標における「治療を必要とする転倒・転落事故」は、当院のインシデント・アクシデントレベル区分3b以上(筋・関節の挫創・骨折・頭部外傷等で処置治療を必要としたもの)を対象としています。
近年、職員の医療安全に対する意識強化に伴い、影響度の低い軽微な転倒・転落についても報告数が増加しています。一方で、高齢化に伴う認知機能低下がみられる患者様の増加により予防が難しくなっている現状を受け、個別リスク評価と環境調整の強化を進めています。また、転倒・転落防止対策に伴うスタッフの負担軽減も重要課題と捉えており、対策として転倒・転落防止用具の導入・活用を検討しています。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
| 全身麻酔手術で、 予防的抗菌薬投与が実施された 手術件数(分母) |
分母のうち、手術開始前 1時間以内に予防的抗菌薬が 投与開始された手術件数(分子) |
手術開始前1時間以内の 予防的抗菌薬投与率 |
|---|---|---|
| 191 | 191 | 100.00% |
手術部位感染(SSI)を予防する対策の一つとして、手術前後の予防的抗菌薬投与があります。手術執刀開始の1時間以内に適切な抗菌薬を静脈内投与することでSSIを予防することが、各種ガイドラインで推奨されています。
当院では、予定手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与について、2011年より取り組みを開始しています。標準手順の整備だけでなく、麻酔科医や手術チーム内での緊密な連携により、適切なタイミングでの投与が徹底されています。また、毎年、関係職員全員がマニュアルの読了・確認を行い、予防的抗菌薬投与の重要性を再認識できるよう継続的な教育・周知に努めています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
| 退院患者の在院日数の総和もしくは 除外条件に該当する患者を除いた 入院患者延べ数(分母) |
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上 の褥瘡)の発生患者数(分子) |
d2(真皮までの損傷)以上の 褥瘡発生率 |
|---|---|---|
| – | – | – |
※分子の値が10件未満と小さく、医療の質として良好な結果ですが、値が小さすぎるため「-(ハイフン)」で表示することになります。
褥瘡発生率は、患者様の全身状態、栄養管理、およびケアの質を評価するための重要な指標です。当院における褥瘡発生率は1%以下と低い水準を維持しています。
2025年度は前年度と比較して発生率がさらに改善(低下)しました。
当院では2020年より「皮膚・排泄ケア特定認定看護師」が中心となって褥瘡管理にあたっており、その専門的な介入の成果が発生率低下という数値に表れていると考えられます。また、以下の取り組みも大きな効果を上げています。
① エアマットの適正使用の推進
必要に応じたタイムリーな導入、適切な機種選択、正しい体重設定などの徹底。
② 教育体制の強化と実践指導
看護師キャリアラダー教育での講義や褥瘡回診への同行、各現場におけるOJTの促進。
③ 多職種連携による改善活動の継続
各部署の褥瘡対策委員(看護師・薬剤師・リハビリスタッフ・管理栄養士等)が年間目標を立案し、年度末に成果発表を行う取り組みの継続。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
| 65歳以上の退院患者数 (分母) |
分母のうち、入院後48時間以内に 栄養アセスメントが実施された 患者数(分子) |
65歳以上の患者の入院早期の 栄養アセスメント実施割合 |
|---|---|---|
| 1606 | 1040 | 64.76% |
入院早期に低栄養リスクを評価し、適切な栄養介入を行うことで、治療の質向上や早期退院、予後の改善に寄与しています。
誤嚥性肺炎や心不全、腎疾患など高齢者に多い疾患に対して、栄養管理を組み合わせた総合的な支援を行い、安心して療養できる体制を整えています。
身体的拘束の実施率
| 退院患者の在院日数の総和 (分母) |
分母のうち、身体的拘束日数の総和 (分子) |
身体的拘束の実施率 |
|---|---|---|
| 43629 | 1247 | 2.86% |
医療の現場では、自らの身に生じる危険を回避することが困難な患者様や高齢者様に対して、転倒や各種チューブの自己抜去といった危険を回避する目的で、身体抑制を選択せざるを得ない場面があります。その際、身体抑制の必要性に関する判断は、患者様の生命・身体の安全確保の観点から行い、必要最小限にとどめることが極めて重要です。この指標は、身体抑制の実態を正確に把握し、早期に抑制解除を行う努力が継続されているかを検証するものです。
当院では、2022年度より看護部の主任・副主任会が主体となり、身体抑制ゼロに向けた取り組みを推進してきました。患者様の人権を尊重した看護が実践できるよう、「抑制解除できる時間の検討」をはじめ、「患者様の命を守るための一時的な身体抑制の実施基準」が明確になるよう、マニュアルと日々の記録の見直しを行い活用しています。その成果として、抑制実施率は経年的に減少させることができています。
また、診療報酬改定においては、身体的拘束等の基準がさらに厳格化され、患者様本人または他の患者様等の生命・身体を保護するための「緊急やむを得ない場合」を除き、身体的拘束を行ってはならないことが明確化されました。入院料の施設基準としても「組織的に身体的拘束を最小化する体制を整備すること」が新たに加えられ、身体的拘束を行う場合の記録の徹底や、「身体的拘束最小化チーム」の設置、指針の作成、定期的な周知徹底・見直し等が要件化されています。当院ではこれに対応し、新たに「認知症・せん妄ケア委員会」のもとに「身体拘束等最小化チーム」を設置いたしました。各病棟看護師長がチームの一員として定期的な職場ラウンドを行いながら、身体的拘束の解除に向けて医師を含む多職種カンファレンスを定期開催できるよう調整を行っています。今後も患者様の人権尊重と安全確保を両立させたチーム医療を継続してまいります。