職員健康管理の指標

職員の健診受診率

分子・分母
 分子:事業所健診の受診者数 520
 分母:健診対象職員数 528
指標の説明
 職域で実施される健康診断は労働安全衛生法によって定められており、職員の安全と健康を確保するために、対象となる全職員に実施することが義務づけられています。 
 医療従事者は、各自の健康については自己管理を行うことが求められていて、特に直接患者さんと接する機会の多い職種では、定期的に健康診断を受けることが重要です。
考察
 2023年度の職員健診受診率は98.5%(受診520/528名)でした。昨年同様、育休・病欠・長期の外部研修者などを除く全員が受診しています。
 平日受診が難しい職種の対応や、休業明けの職員に対する受診漏れチェックを継続的に行い受診率向上につなげています。

胃がん検診受診率

分子・分母
 分子:胃がん検診受診者数 185
 分母:胃がん検診対象者数 311
指標の説明
 胃がん健診対象は、協会けんぽに加入している35才以上の職員です。希望者にがん検診を実施しています。
考察
 2023年度の受診率は63.6%(196/308人)で、前年から4.1ポイント増加しました。保険組合より特別な理由がない限りキャンセル不可との通達がありました。健診予約時の声かけ、管理を通しての受診勧奨を行っていますが受診率が上がらない状況が続いています。

大腸がん検診受診率

分子・分母
 分子:大腸がん検診受診者数 199
 分母:大腸がん検診対象者数 308
指標の説明
 大腸がん検診対象は、協会けんぽに加入している35才以上の職員です。希望者にがん検診を実施しています。
考察
 2023年度の受診率は64.6%(199人/308人)で、受診率は横ばいです。気軽に受けられる検査として職員向けの健診ニュースで呼びかけていますが、7割の壁を越せません。2週間前には検査容器を配布してますが「知らなかった」「とれなかった」という声が多く聞かれます。健診日に提出できない場合は後日でも受付可能としており(2週間以内で提出)、引き続き受診の呼びかけをすすめていきます。

乳がん検診受診率

分子・分母
 分子:乳がん検診受診者数 119
 分母:乳がん検診対象者数 227
指標の説明
 協会けんぽに加入している40歳以上の職員は2年に1度受けることができますが、倉敷市のはがきを利用すれば毎年受けることができます。
備考
 特に40歳以上の女性職員を対象に毎年の受診を勧めています。
考察
 乳がん検診は、マンモグラフィと乳腺エコーのどちらかを選択することができます。
 2023年度の受診率は52.4%(119人/227人)で、年々減少傾向です。2020年度より乳がん検診の負担割合を事業所が一部負担し、乳がん・子宮がん検診については職員用の午後枠を設定するなど受診率向上に努めています。乳がん検診の重要性や受けやすい環境作りをすすめ、受診者数の増加を目指します。

前立腺がん検診受診率

分子・分母
 分子:前立腺癌検診受診者数 12
 分母:前立腺癌検診対象者数 32
備考
 50才以上の男性職員に勧めています。希望者は検診料金の負担が必要です。
考察
 2023年度の受診率は37.5%(受診者数12人/対象者数32人)でした。2019年度に健保組合の変更により、協会けんぽ検診には前立腺癌検診が含まれず、大幅に受診率が減少しました。2020年度より自己負担額を事業所が一部負担し職員への負担を軽減しています。また、50歳以上の男性職員には健診当日にも受診勧奨等行っていますが、増加に至っていません。今後も受けやすい環境作り等を行い、受診者数の増加を目指します。

子宮がん検診受診率

分子・分母
 分子:子宮がん検診受診者数 107
 分母:子宮がん検診対象者数 397
指標の説明
 協会けんぽに加入している20歳以上の職員は2年に1度受けることができますが、倉敷市のはがきを利用すれば毎年受けることができます。
備考
 20才以上の女性職員を対象に検診受診を勧めています。
考察
 2023年度の受診率は27.0%(107人/397人)で、昨年より16.5%減少しています。
 2020年度より事業所が全額負担し、職員用の健診枠を設けていますが受診率は低い状態です。
 子宮がん検診の重要性をいっそうわかりやすく広報し、がん検診を受けやすい環境作りをすすめ、健診者数の増加を図りたいと思います。

職員のインフルエンザワクチン予防接種率

分子・分母
 分子:予防接種職員数 499
 分母:在籍職員数 546
指標の説明
 免疫力の低下した患者が多い病院において、職員のインフルエンザワクチン予防接種の実施は、患者の安全を守るための重要な取り組みです。また、職員がインフルエンザに罹患し病欠が続くと、病院機能自体が低下し患者の安全が脅かされます。このような意味で、全職員がインフルエンザワクチンの予防接種を受けることが推奨されます。
考察
 2023年度の職員のインフルエンザワクチン予防接種は91.4%(499/546人)でした。毎年多くの職員が自らと家族の健康管理に加え、患者の安全管理を進めるという意識を持って予防接種を受けていると考えられます。
 接種時期の見極めは年々難しくなっていますが、適切な時期に予防接種を行うことで一定の効果があると考えられます。また、新型コロナウイルス感染症の流行後、自らの健康チェック・マスク着用・手指消毒の継続により、2023年度も職員のインフルエンザ罹患者は少なかったとの報告でした。今後も全職員が接種することを目指し、接種推奨の取り組みを継続していきます。

職員の非喫煙率

分子・分母
 分子:非喫煙者数   450
 分母:職員健診受診者数 500
指標の説明
 喫煙は、がんをはじめ脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患・慢性閉塞性肺疾患など呼吸器疾患や2型糖尿病、歯周病など多くの病気と関係しており、予防できる最大の死亡原因であることがわかっています。
 禁煙外来の実施、敷地内禁煙、日常診療での禁煙指導など、医療機関は禁煙サポートにおける重要な役割を果たしています。医療従事者は、患者に指導する立場であることから、自覚を持って禁煙に取り組み、禁煙の推進に積極的に参加することが求められます。
考察
 2023年度の職員全体の非喫煙率は90.0%(450/500人)、女性は91.9%(351/382)、男性は83.9%(99/118)でした。
 昨年度と比較すると、非喫煙率は上昇しました。
 「国民健康栄養調査」によれば、わが国の非喫煙率は男性74.6%、女性92.3%となっており、男性は国民平均値を上回っています。若い世代は喫煙離れが進んでいるように見えますが喫煙年数が長い年長者がなかなか禁煙できないことが考えられます。近年電子タバコの普及により電子タバコに変えたという声も聞かれ、禁煙の意志があればそれをステップとして支援していきたいと思います。