病院指標

令和5年度 水島協同病院指標

年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 12 55 64 117 235 317 791 840 332

 2023年4月1日から2024年3月31日までのDPC対象入院患者の年齢構成を示しました。
 20歳未満:12名(0.4%)、20歳以上60歳未満:471名(17.1%)、60歳以上:2,280名(82.5%)で、高齢化社会を反映して、高齢者が全体の5分の4を占めています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 109 29.61 20.60 22.02 82.71
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 83 23.06 17.38 8.43 83.80
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 78 19.08 13.52 8.97 80.47
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 47 23.47 13.99 4.26 68.02
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 38 23.84 11.49 2.63 75.97

 急性呼吸器感染症にも多く対応し、肺炎、気管支炎と誤嚥性肺炎を併せて多くの患者さんを受け入れています。 心不全については、「心不全チーム」が関わり、適切な医療・ケアを提供しています。
 当院は、73床の透析病床を有し、現在、約200名の患者さんの透析を行っています。そのため腎疾患の患者さんも多く受け入れています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 27 4.37 4.55 0.00 73.19
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 22 9.95 9.88 0.00 63.32
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 18 6.78 8.75 5.56 78.33
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 8.06 8.95 6.25 76.12
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 15 5.60 5.29 0.00 46.13

 鼠径ヘルニアや急性胆のう炎、急性虫垂炎などの良性疾患の手術をはじめ、消化器がん、乳がんなどの悪性腫瘍まで多様なニーズに対し、手術を行っています。腹部手術については、年々、腹腔鏡手術の割合が増しており、現在、腹部手術のおよそ7割を腹腔鏡下で行っております。平均在院日数の短縮に寄与しています。
 固形がんに対する抗がん化学療法や、がん終末期の受け入れも担っており、往診を行っている医療機関と連携し、患者さんのご要望に応じた療養の場を提案しています。
 また、地域の要望に応じて、認知症の方でもお断りせず受け入れています。
 大腸内視鏡検査に伴う大腸ポリープ切除術後の経過観察入院は、内科と分担し、外科も担っています。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 98 2.00 4.46 0.00 75.89
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 52 2.00 2.54 0.00 77.52
020250xx97xxxx 結膜の障害 手術あり 3.00
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 4.88

 白内障の患者さんを多く受け入れ、1泊2日の入院で白内障手術を行っています。
 この他、結膜炎等の治療を行っています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 13 2.00 2.44 0.00 70.62
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 12 11.50 6.85 0.00 76.67
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 5.22
110310xx01xxxx 腎臓又は尿路の感染症 経尿道的尿管ステント留置術 13.46
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 6.78

 最も診断群は前立腺生検を目的とした入院で、前立腺癌の増加に伴い、診断および適切な治療提供のため積極的に前立腺生検を行っています。
 また、救急患者の受け入れを積極的に行っていることもあり、多くの尿路結石症および尿路結石症に随伴する尿路感染症に対して積極的な治療を行っています。内視鏡下破砕手術・体外衝撃波結石破砕術など多様な治療選択を有し、尿路結石症の患者様に対してはクリニカルパスを用いて、安全かつ均一的な入院治療を提供しています。
 また、膀胱腫瘍に対する内視鏡下手術は、バイポーラシステムを用いて治療の安全性を優先しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 8
大腸癌 18 1 8
乳癌 19 21 21 1 8,6
肺癌 1 8
肝癌 10 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

 患者数としては乳癌が最も多くなっています。次いで大腸癌、肝癌の順に多い結果となりました。
 当院では、手術だけでなく、抗癌剤治療を行える体制を整え、患者さんに合わせた治療法を選択し、総合的に管理しています。また、放射線治療など、当院では受入環境が整っていない治療については他医療機関に紹介を行っています。
 尚、癌を疑った検査入院において、退院時に結果が明らかでないものも多いため、病期分類が不明の症例も存在します。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 7.83 49.67
中等症 51 18.41 76.45
重症
超重症
不明

 入院した肺炎のうち、小児の肺炎、誤嚥性肺炎を除くものを成人市中肺炎とし、その重症度分類を示しました。
 中等症における、入院患者の平均年齢は約80歳となっています。

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 54 35.15 80.02 28.79
その他 12 26.67 78.75 4.55

 I63$(脳梗塞)に分類される症例の割合が高く、特に発症日から3日以内の急性期脳梗塞が集計対象全体の約8割を占めます。急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は80歳で、後期高齢者が多くを占めています。治療とリハビリを行い、多くの患者さんが自宅もしくは施設に帰られ、残りの患者さんはリハビリテーション継続のために、リハビリテーションを専門とする病院に転院されています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 1 長径2cm未満 等 34 5.44 5.21 0.00 68.41
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術,腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 等 23 47.65 107.26 34.78 81.57
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1 初回 等 19 44.74 58.63 5.26 75.47
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 1 内シャント造設術 イ 単純なもの 等 15 27.20 43.73 20.00 74.93
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 13 7.54 8.15 7.69 78.54

 主要手術別患者数では、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術が最も多くなりました。胃瘻造設術は、他医療機関・介護関連施設からの紹介患者さんを中心に行い、手術後は紹介元の医療機関、介護関連施設へ帰られます。患者さんに応じた退院支援を行い、スムーズな連携を図っています。
 当院は、73床の透析病床を有し、現在、約200名の患者さんの透析を行っています。そのためシャントに関係する手術・処置も多く、緊急の経皮的シャント拡張術・血栓除去術にも対応できる体制を整えています。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置 2 頭頸部その他に設置した場合 等 31 2.61 15.90 61.29 83.58
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 等 27 3.56 11.52 81.48 82.33
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 27 2.41 6.70 3.70 64.67
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 等 22 0.50 2.86 0.00 74.95
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 3 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 等 19 1.00 8.11 0.00 64.89

 外科では固形がんに対する抗がん化学療法も積極的に行っており、薬剤の血管漏出予防のため中心静脈ポートを使用しています。がん終末期の役割も担っており、往診を行っている医療機関と連携し、患者さんのご要望に応じた療養の場を提案しています。がんの方を含め経口摂取が困難な長期療養状態の方に対しても中心静脈ポートを利用しています。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 1 眼内レンズを挿入する場合 ロ その他のもの 等 150 0.00 1.00 0.00 76.45
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの)
K279 硝子体切除術
K220 結膜縫合術

 近年の高齢化社会を反映し、白内障の手術を希望される患者さんが増えており、1泊2日の入院で白内障手術を行っています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 6 経尿道的手術 イ 電解質溶液利用のもの 等 16 1.63 7.94 0.00 76.75
K841-6 経尿道的前立腺吊上術 13 0.31 2.08 0.00 75.08
K7811 経尿道的尿路結石除去術 1 レーザーによるもの 等 11 7.91 8.27 18.18 69.55
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K830 精巣摘出術

 経尿道的膀胱悪性腫瘍手術はバイポーラ電極を使用することで出血や合併症が少ない手術を追求しています。患者さんの高齢化に合致した、安全かつ短い入院期間での治療を心がけています。
 また、当院では体外衝撃波など他の治療手段も有していますが、破砕用レーザー・軟性尿管ファイバーの導入で従来より、より広範囲の尿路結石に対し、患者さんの負担が少ない経尿道的内視鏡手術を適応することが出来ています。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる
180010 敗血症 同一
異なる
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 26 0.94
異なる

 手術・処置等の合併症では、透析関連の症例が多く、シャント閉塞、狭窄、透析低血圧に対するための入院が大半を占めています。
 敗血症は、入院時ならびに入院後に発症したものが多くを占めるという結果でした。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

肺血栓塞栓症発症の
リスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された
患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の
手術を施行した患者の
肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
133 122 91.73

 広域抗菌薬を使用する際の細菌培養検査には、検査結果に基づいて抗菌薬を狭域化することで耐性菌の発生を防止する、治療を最適化する、という感染症治療と院内感染対策の二つの点で意義があります。当院では、この点を推進する文化が醸成・維持されており、それによって実施率は約90%の高い水準となっています。また、広域抗菌薬処方の際には届出が必要で、届出の様式に培養検査を提出の有無についてチェックする項目を設けており、このシステムも高い実施率に一役買っています。

血液培養2セット実施率

血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1116 1006 90.14

 重症感染時には菌血症(血液中に細菌がいる状態)を伴うことが少なくありません。この血液中の細菌を検出する血液培養は、1 セット採取よりも2 セット採取の方が、検出感度が良好であることが知られています。また、2 セット採取は原因菌か採取時の汚染かを判定するためにも重要です。
 2023年度の実施率は、90%でした。複数セット採取率向上のために、2009年度に「血培2 セット」として、検査室からトレイにて2 セット払い出すシステムへ変更し、定期的に複数セット採取について周知してきました。今では、複数セット採取が定着し、2015 年から高水準を維持できています。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降
抗菌薬処方日までの間に
細菌培養同定検査が実施された
患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
96 87 90.63

 肺血栓塞栓症発症リスク如何に関わらず、物理療法以上の予防対策を実施しています。例外は、中等度以上の下肢虚血症状を有する場合と、長期臥床状態で術後も歩行の可能性が無い患者さんです。
 方法は、弾性ストッキングの着用(浮腫やるい痩などでストッキングの着用が向かない場合は専用の弾性包帯)およびフットポンプの使用(静脈瘤やDVTが術前に診断されている場合を除く)です。加えて、高リスクの場合は抗凝固薬を併用しています。