栄養の指標

経口摂取率

分子・分母
 分子:経口食数
 分母:絶食数+提供食事数
指標の説明
 口からの栄養摂取は、栄養法の選択という問題にとどまらず、患者のQOLに深く結びつくものです。また、急性期医療の中で主たる疾病や病態対応の中で、摂食・嚥下機能の維持が後回しになり、気がつけば摂食・嚥下機能の著しい低下を招いていたということも少なくありません。口から食べるという大事な行為へのケアや援助を確実に実施していくための指標です。
指標の種類
 プロセス
考察
 2025年度の平均は69.4%と経口摂取率はここ数年で一番多くなっています。摂食・嚥下障害スクリーニング評価表の学習会や嚥下調整食の試食会の開催、入院時に食事でのムセの有無や義歯の使用、とろみ剤の使用、誤嚥性肺炎の既往などをから摂食・嚥下障害リスクを確認し、安全な食形態での早い食事開始に繋がっているようです。嚥下機能に問題がある場合は嚥下造影検査を実施し、嚥下レベルにあった嚥下調整食や食事時の姿勢の確認を行っています。当院の嚥下調整食適応患者さんは半数以上となっており、患者さんに喜ばれる食事が届けられるように、嚥下調整食は学会のコード分類にあった食事になっているかの確認や見た目にもこだわった新しいメニューの開発などチームでの検討を行っています。

絶食率

分子・分母
 分子:絶食した食数
 分母:絶食数+提供食事数
指標の説明
 栄養投与ルート選択の原則として、「腸が機能しているときには腸を利用する:When the gut works, use it. 」が奨励されています。経口からの食事や経管からの栄養剤投与による栄養摂取は、より生理的であり、腸に備わったリンパ装置や内分泌機能を維持し、感染などの生命リスクの低い投与法といわれています。絶食率はこの経腸栄養がどの程度実施されているかをみる指標として設定しました。
指標の種類
 プロセス
考察
 絶食率は12%以下を目標としており、ここ数年は10%以下になっています。2025年では4月11.5%、5月13.2%、6月11.0%と絶食率が高くなっていましたが、7~12月は7.8~9.8%で推移していました。経口摂取が困難な場合でも、経腸栄養を早期に行うことで必要な栄養量を確保でき、栄養改善、嚥下機能の改善につながります。栄養不良は病気の治癒を遅らせるだけでなく筋肉量の低下も招くため、ADLの低下にもつながります。現場ではしばしば胃瘻造設に関わる倫理的問題に遭遇します。職場での倫理カンファレンスや倫理コンサルテーションチームとの協同を通して胃瘻造設の倫理に関わる問題への対応を進めています。