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水島協同病院 臨床指標


慢性疾患の指標

降圧薬服用患者の血圧コントロール割合

降圧薬服用患者の血圧コントロール割合
分子・分母

 分子:血圧コントロールの目標値を達成している患者数(140/90未満)
 分母:降圧薬が処方された患者件数

備考(除外項目等)

 降圧薬の血圧コントロール割合を4半期ごとに連続して測定しています。ホームページにアップするにあたり10月から12月のデータをその年度の代表値としました。但し、2015年度は代表値を7月から9月の間のデータに変更しています。

指標の説明

 本邦の高血圧患者は約4,000万人と言われ、高血圧症は脳卒中や心疾患の発症予防、死亡の回避にとって重要な健康問題です。一方、その重要性にも関らず、プライマリケアの現場での血圧管理は必ずしも十分ではありません。高血圧の病態の把握、合併症の評価と対策、病態に対応した降圧薬の選択、コントロール目標値の達成など、高血圧症の管理にはきめ細かな対応が求められます。地域住民の最大の健康リスクである高血圧症のコントロールは、プライマリケアの現場の重要な診療課題です。

考察

 当院の降圧剤が処方されている患者数は、2012年度2,358名、2013年度2,562名、2014年度2,794名、2015年度2,648名、2016年度2,913名と推移しています。
 テンプレートからデータシートへの血圧の記録を実施中の6名の内科医の患者を対象に分析しました。2016年度の分析対象患者、968名中140/90mmHg未満は739名で目標達成割合は76.3%でした。これらの値は2015年度と比較して4.4ポイント上昇していました。
 高血圧のガイドラインは2014年に改訂され、血圧の目標値を変更されました。改訂点をよく理解し、ガイドラインをふまえた診療を進めていく必要があります。合わせて、家庭内血圧の測定を推奨し、患者の自己管理を支援していくことも大切です。

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降圧薬服用患者の家庭血圧測定割合

降圧薬服用患者の家庭血圧測定割合
分子・分母

 分子:家庭血圧測定調査回答者のうち家庭血圧測定者数
 分母:降圧剤が処方された患者のうち家庭血圧測定調査回答者数

指標の説明

 本邦の高血圧患者は約4,000万人と言われ、高血圧症は脳卒中や心疾患の発症予防、死亡の回避にとって重要な健康問題です。「高血圧治療ガイドライン2014年」では、家庭内血圧測定の意義が強調され、その位置づけがこれまで以上に大きくなりました。家庭内血圧は診察室血圧よりも生命予後に優れた予知因子であるとも言われています。当院では、家庭血圧測定による自己管理を進めることが高血圧治療の質を担保する重要な要因と認識し、質指標としました。

考察

 家庭血圧測定調査は、2015年は7月から9月までの3ヶ月間実施され、実施率は62.6%でした。2016年の調査は11月の一ヶ月間行われ、この期間の降圧薬服用者総数は2,915名であり、そのうち930名(31.9%)から回答を得ました。この回答者の中で、家庭血圧測定者は557名(59.9%)でした。
 ただし、この調査は未回答者が多く、その大半が家庭血圧非測定者と仮定すると、家庭血圧測定割合の数字は大きく動き低下します。より正確な実施割合を得るためには、調査の回答率を上げることとあわせて患者による家庭内血圧測定を推進するための教育が必要です。

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LDLコレステロール値のコントロール割合

LDLコレステロール値のコントロール割合
分子・分母

 分子:LDLコレステロール値の最終検査結果値が140mg/dL未満の患者数
 分母:脂質異常症の薬剤投与のある患者数

備考(除外項目等)

 LDL降圧薬のコントロール割合を6ヵ月ごとに連続して測定しています。ホームページに掲載するにあたり下半期のデータをその年度の代表値としました。

指標の説明

 脂質異常症は,心筋梗塞や脳血管障害など心血管合併症の危険因子のひとつです。中でもLDLコレステロール(LDL-C)はいわゆる悪玉コレステロールと呼ばれ、心血管合併症予防の重要なターゲットとなります。「動脈硬化性疾患予防のガイドライン」では、LDLコレステロールの管理目標をリスクにより層別化していますが、当院では便宜上LDLコレステロール140mg/dl未満を質指標のコントロール基準として採用しています。

考察

 2016年度にLDL測定値のある患者は939名あり、LDLのコントロール目標値を満たした患者は821名、87.4%でした。2011年度以降の同時期の値と比較して徐々に上昇した推移を示しています。
 当院外来にて脂質異常症の薬物療法を受けている患者は2016年度の期間内で1,621名であり、2011年度1,198 名、2012年度1,286名、2013年度1,381名2014年度1,523名と年々増加傾向を示しています。一方、2016年度に、脂質検査を実施した患者数は、2011年度737名(61.5%)、2012年度768名(59.7%)、2013年度822名(59.5%)、2014年度838名(55%)、2015年度851名55.8%と939名(57.9%)でその割合は低く、この値も経年的に改善をみていません。少なくとも半年に1度の脂質の評価が行える仕組みづくりが必要と考えます。また、ABI、頚部血管エコーを取り入れた診療の推進も課題です。

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糖尿病患者の血糖コントロール割合

糖尿病患者の血糖コントロール割合
分子・分母

 分子:HbA1c<7.0%(NGSP)を達成した患者件数
 分母:インスリン製剤または経口血糖降下薬が処方された患者件数

備考(除外項目等)

 糖尿病患者の血糖コントロール率を四半期ごとに連続して測定しています。ホームページに掲載するにあたり10月から12月のデータをその年度の代表値としました。

指標の説明

 ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、過去1~2ヶ月の平均血糖値を数値化した血糖コントロール状態を示す指標です。糖尿病に関する多くの疫学研究から、血糖コントロールが良好であるほど合併症(細小血管症)の発生・進展が減少するといわれています。
 2012年4月から従来の表記法(JDS)から国際基準の表記法(NGSP)に切り替えられ、値が0.4%高くなりました。また、糖尿病のコントロール目標とされるHbA1cの値も、2013年5月に開催された第56回日本糖尿病学会年次学術集会において新しい目標値として7.0%未満が定められました。このHbA1c7.0%未満の達成率は最適な治療提供の指標と考えられます。

考察

 2016年度の糖尿病治療を受けた患者で期間にHbA1cを測定した患者は1036名であり、2010年755名、2011年924名、2012年946名、2013年992名、2014年991名、2015年1000名と年々増加していますが、このうちHbA1c7.0%未満を達成した割合は2016年が43.8%で、2012年度の57.4%をピークに、以後減少傾向を示しています。
 インクレチン製剤、SGLT2阻害剤など新しい薬の登場、外来や病棟でのチーム医療の推進といった前進にも関らずコントロール率が低下した原因については十分な解析ができていません。75歳未満と75歳以上で比較した場合、前者のコントロール率は41.2%、後者は51.1%であり、患者の高齢化が原因ではないようです。
 なお,この期間に薬剤投与がされているにも関わらずHbA1cの測定されていなかった患者が2016年度は186名(血糖降下薬が処方された患者の15.2%)あり、2012年度111名(10.5%)、2013年度190名(16.0%)、2014年度163名(14.1%)、2015年度は189名(15.9%)と、直近の5年間は10%以上の割合で推移しており、少なくとも4半期に1度の血糖コントロール評価する検査計画等の改善の努力が求められます。

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糖尿病患者の眼科受診率

糖尿病患者の眼科受診率
分子・分母

 分子:1年間に当院眼科を受診した患者数
 分母:血糖降下薬を使用している患者数

指標の説明

 糖尿病患者は長期間持続する高血糖・脂質異常・高血圧などにより様々な合併症を併発してきます。網膜症はその代表的な合併症のひとつであり、放置すれば失明など重大な結果を招きます。その予防には早期発見と適切な対処が求められますが、日本糖尿病学会編「糖尿病治療ガイド」(2014-2015)では、眼科医に定期的診察を依頼することを推奨しています。このガイドでは受診間隔を正常から単純網膜症の初期は1回/年、単純網膜症中期以降は1回/3~6ヵ月、増殖前網膜症以降は状態により1回/1~2ヵ月と提案していますが、質指標としては最低年1回の眼科受診を指標として取り上げました。この測定結果については他院の眼科に受診している患者は拾い上げていないことを考慮して解釈する必要があります。

考察

 2016年度の受診割合は1395名中240名で17.2%でした。2014年度及び2015 年度の受診割合と比較しても低値でした。糖尿病患者の眼科的チェックはまだまだ不十分の状況があります。糖尿病による重篤な合併症を予防するためにも、患者さんの理解を得ながら、受診の割合を増加させていく必要があると思います。

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糖尿病患者の尿中アルブミン測定率

糖尿病患者の尿中アルブミン測定率
分子・分母

 分子:1年間に尿中アルブミン排泄量測定を実施した患者数
 分母:血糖降下薬を使用している患者数

指標の説明

 糖尿病はしばしば腎病変を招き、腎不全・透析の原因となるばかりでなく、脳卒中や心疾患のリスクにもなります。当院の透析新規導入者の中でも、糖尿病は第1位を占めています。
 このような重大な機能障害・疾病を予防するためには、初期の腎病変を早期発見し適切に対応することが求められます。日本糖尿病学会編「糖尿病治療ガイドライン」(2014-2015)は、尿中アルブミン排泄量測定を3~6 ヶ月に1回定期的に行うことを推奨しています。糖尿病の管理指標のひとつとして最低年1回の測定を取り上げました。但し、既に蛋白尿が顕在化している患者については尿中アルブミン排泄量を測定する段階ではない場合もあり、実施されない場合もある点に留意して解釈する必要があります。

考察

 2016年度の尿中アルブミン排泄量測定割合は糖尿病患者1395名中783名で56.1%でした。2015年度と比較して微減でした。糖尿病の合併症である腎疾患の早期発見と治療を行う上で、外来での取り組みの中で本指標の値を改善させていく必要があります。

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