倉敷医療生活協同組合 水島協同病院 オフィシャルサイト

水島協同病院 臨床指標


病院全体の指標

死亡退院患者割合(精死亡率)

分子・分母

  分子:死亡退院患者数-入院後48時間内死亡
  分母:退院患者数

指標の説明

  死亡退院患者の症例から、診療の過程が妥当であったか、社会的問題はなかったかなど検討し、診療内容の質向上を目指す目的で設定しています。

指標の種類

アウトカム

考察

  2015年度の精死亡率は5.08%であり、昨年よりも0.31ポイント低下しました。この値は、2015年度の全日本民主医療機関連合会の医療の質の向上・公開推進事業に報告された値の中央値より0.61ポイント低い数値でした。救命できる患者を確実に救命するために死亡事例の検討は大切です。また、高齢化社会の中で看取りが多くなって現場で、良い看取りができた課という観点からのふり返りも必要になっています。病棟でのデスカンファレンス(メモリアル・カンファレンスと呼ぶ提案もあります)が少しずつではありますが実施されるようになってきました。

参考文献等

全日本民主医療機関連合会 医療の質の向上・公開推進事業 2015年 年間報告

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剖検率

分子・分母

  分子:病理解剖実施数
  分母:死亡退院数(入院+救急外来死亡で入院料加算した外来患者)

指標の説明

  病理解剖(剖検)とは、患者さんが亡くなった後、遺族の承諾を得て行う遺体の検査のことで、生前に知り得なかった死因や病態を肉眼的・顕微鏡的に検討することを言います。その検討結果は医局の臨床病理検討会で検討され、日本病理学会が発行する日本病理剖検輯報に登録されます。医師の卒後臨床研修制度でも剖検症例を経験し検討会で提示することが義務づけられており、剖検は医師の養成に重要な役割を果たしています。

指標の種類

プロセス

考察

  2015年度の死亡247件中、剖検は11件であり剖検率は4.5%でした。
  剖検率は、画像診断など検査の進歩により全国的にも減少してきています。しかし、剖検により新たな疾患が発見され、生前には解らなかった病態が明らかになるなど、剖検は医療の質を維持するためには欠かせません。内科教育病院に必要とされる年間10件の実施を確保し、臨床病理カンファレンスを継続して取り組み、医療の質の向上につとめたいと考えます。

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看護計画立案率

分子・分母

  分子:看護計画立案件数
  分母:退院患者数

備考(除外項目等)

  2010年度は7月からのデータ

指標の説明

  看護計画は、個別的ケアの計画を記載したものです。看護計画に基づいたケアを実践し、患者さんの状態の変化を観察することは、目標とする治療結果やケアの内容を評価する上で重要です。看護計画の立案率は、適切なサービスを提供するための計画がたてられているかを示す指標として設定しました。

指標の種類

プロセス

考察

  2015年度の計画立案率は98.6%でした。計画立案に至らない“短期入院”の患者があることから、看護計画の立案が求められるほぼ全例で看護計画が立てられていることを示しています。
  2年前にNANDA-I看護診断(北米看護診断協会が推奨する看護診断)を導入し、同一の診断のもと解釈を統一し、それを看護計画に反映することで患者の問題点を共有しやすくすることを目指しています。
  看護診断には少しずつ慣れてきていますが,看護師が専門職として関わるための「患者の生活がわかる」「看護が見える」記録にはまだ不十分なところがあります。看護記録監査項目を看護診断に沿った項目に変更し,より看護の専門性が見える記録にしていきたいと考えています。
  ほぼ全例で看護計画が立てられている状態を維持しながら、看護計画立案にあたっては,患者や家族からの要望を聞きながら,一緒に計画を立案し,患者や家族から見える看護を実践していきたいと考えています。

参考文献等

NANDA-1 看護診断 定義と分類2012-2014 医学書院

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退院療養計画立案率

分子・分母

  分子:退院療養計画書立案件数
  分母:退院数-死亡数

指標の説明

  2007年4月の医療法改正により、入院診療計画書の交付・説明は患者さんや家族に対して、入院後7日以内に文書での交付と説明を行うことが義務付けられました。退院時の療養計画書は、患者さんの退院後に必要な保健・医療または福祉サービスに関する計画書を作成・交付し、退院後の療養が適切に行えるよう適切な説明を行うことが努力義務となっています。

指標の種類

アウトカム

考察

  退院療養計画の立案率は、前年と比べ1.0ポイント低下しました。医師の日常的な努力とともに、退院前・退院時の看護師による記載チェックなど、きめ細かな対応による改善です。さらに、退院後の療養について必要な指導等の内容についても充実をはかりたいと考えます。

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クリニカルパス利用率

分子・分母

  分子:クリニカルパス使用患者数(入院中複数のパスを利用していても1とする)
  分母:退院患者数

指標の説明

  クリニカルパスは、病気ごとに検査や治療、看護ケアなどの内容およびタイムスケジュールを一覧表に表したものを言います。わが国には1995年頃から導入され徐々に普及してきました。クリニカルパスの使用は、患者さんにとっては診療の予定が分かりやすいという利点があり、医療者にとっては科学的根拠に基づいた標準的な医療の実践、医療スタッフ間での情報の共有、チーム医療の推進に役立ちます。クリニカルパス使用の増加は、内容の分析・見直しにもつながり、医療の質の向上にもつながります。

考察

  2015年度のクリニカルパス利用率は34.8%で、前年から1.2ポイント増加しました。
  当院では2002年にクリニカルパス推進委員会を立ち上げ、クリニカルパスの作成、推進に取り組んできました。
  現在承認しているクリニカルパスは98種類で、作成種類は手術や検査関係が多くなっていることから、外科系のクリニカルパスの利用率が増加しています。
  2014年度末から開始したバリアンス事例の集計は、パス改善の検討資料として活用されています。負のバリアンス事例を集約し、現行のパスの修正を行うことでより有用なクリニカルパスの作成と運用を進めることができます。

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入院患者の他科診察の依頼割合

分子・分母

  分子:退院患者で入院中に他科受診のあった患者数
  分母:退院患者数

指標の説明

  多くの疾患を持っている入院患者さんの診療に対して、それぞれの専門家に診療内容の確認や、協力を依頼することは、診療の透明度、チームワークの度合いを示すもので、医療の質を表します。

指標の種類

プロセス

考察

  2015年度は35.5%と前年より0.8ポイント下回りました。在院期間が短くなる中でも患者の病状から必要と思われる他科へのコンサルトが維持されています。
  当院の基本方針に明記している全人的医療の推進には,患者の問題を幅広く把握し、問題に応じた各科の協力体制が欠かせません。専門科間の協力を進め、よりよいサービスの提供に努めたいと思います。

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ケアカンファレンス実施率

分子・分母

  分子:退院患者のうち医師・看護師・コメディカルによるカンファレンス記録のある患者数
  分母:退院患者数

備考(除外項目等)

  電子カルテ上に、医師・看護師を含む3職種以上が参加したカンファレンス内容の記録があるものを条件としてカウントを行っています。(多職種カンファレンス)

指標の説明

  患者の多面的な要求に応える医療やケアを実践するには、全職員の専門性の結集が不可欠です。初診時や定期的に開催される多職種カンファレンスは、こうした医療やケアの要であり、全人的医療の実践がどの程度できているかみるための指標として設定しました。全退院患者のうち、一度以上ケアカンファレンスが実施された比率をみたものです。

指標の種類

プロセス

考察

  2015年度は前年より0.1ポイント増加し、2010年からの測定値でも最高値となりました。この値は全日本民医連の2015年の中央値は43.84%を8.7ポイント上回っています。病棟カンファレンスや、科別カンファレンスが意識的に行われるようになり、定着してきた結果と考えます。今後とも患者の多面的な要求に応えて必要な情報を共有し、多職種カンファレンスにふさわしい内容の充実が求められます。

参考文献等

全日本民主医療機関連合会 医療の質の向上・公開推進事業2015年間方向

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輸血製剤の廃棄率

分子・分母

  分子:廃棄赤血球製剤(RCC)単位数
  分母:輸血赤血球製剤使用単位数+廃棄赤血球製剤単位数

備考(除外項目等)

  自己血は含まず

指標の説明

  血液製剤の適正使用の推進とともに、廃棄血を減らし貴重な血液製剤の有効活用をおこなっていくことが必要です。各年毎に当院で準備した赤血球製剤の全体数に占める廃棄赤血球製剤の割合で廃棄率を計算しています。

考察

  2015年廃棄率は0.7%となり、輸血療法委員会の設定した目標5%以下を達成しました。
  2011年以降毎年この目標をクリアしていますが、2015年度は廃棄割合を大幅に下げることができました。赤血球製剤使用単位数が907単位(昨年比98%)とやや少なかった影響も考えられますが、輸血部門での利用状況に即した製剤管理、診療部への広報と血液製剤の適正使用方針の徹底などが奏効したと考えられます。
  全国の使用実態調査で、平成26年度の赤血球製剤廃棄率は3.0%となっておりそれと比較しても当院での赤血球製剤は適正に管理・有効利用できていると考えられます。
  今後も適正な輸血のための学習・広報を勧め、輸血製剤の適正使用、有効利用に努めていきたいと思います。

参考文献等

厚生労働省平成26年度血液製剤使用実態調査

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退院後2週間以内のサマリー記載割合

分子・分母

  分子:退院後2週間までの退院サマリー完成数
  分母:退院患者

指標の説明

  退院時サマリーは、患者さんの病歴や患者さんが入院時に受けた医療内容のエッセンスを記録したものです。サマリーの速やかな作成は、入院医療と外来医療の連携を進め、医療サービスの内容を向上させます。このように退院後一定期間内に退院サマリーを作成することは、医療の質を表しています。

指標の種類

プロセス

考察

  昨年に比較して4.8ポイント減少しました。多忙な医師が一定の期間内にサマリーを作成することは決して容易ではありません。
  2014年度の診療報酬改定で医師サマリーの加算要件が変わりました。JCEP(臨床研修評価機構)はより厳しい要件(退院後1週間以内の記入)を要求しています。また、岡山県で実施されている「晴れやかネット」(患者情報共有システム)への開示事項の中に医師サマリーが加えられました。そういう意味からも、迅速かつ質の高いサマリーの作成が求められています。
  サマリーの早期作成の重要性の確認、医師事務作業補助者による支援、朝礼時でのサマリー未記入リストの提供などよりよい環境整備を促進したいと考えます。

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医師の問題リスト記載割合

分子・分母

  分子:入院患者のうち問題リスト記載件数
  分母:入院患者数

備考(除外項目等)

  入院5日以内の記載を対象

指標の説明

  POS(Problem-oriented medical system:問題指向システム)は、「患者さんの問題点を中心に、その問題解決をめざして診療する」という考え方で診療録を記載するシステムです。POSのPは患者さんの抱えるProblem(問題)のPであるとともに、Patient(患者本人)であるPerson(人)という意味も含みます。この記録システムは、日本の医療現場へ導入されて以来長い年月を経て評価は定まっていますが、当院においては十分に活用されていない現状があります。POSは、①患者中心の医療の実践に繋がる、②チーム医療に寄与する、③臨床教育に寄与する、④患者側への情報提供に有用である等、優れた利点があります。問題リストは、このPOS診療記録構造の中でも中核をなすものです。

指標の種類

プロセス

考察

  この指標を当院の医療の質指標に設定したのは2013年度の途中でした。この指標の趣旨に応えた医師の協力により、2014年度の問題リスト記載割合は83.8%で、2013年度の65.4%から18.4ポイント上昇しました、このことは、医師および他の職種からも大きく評価されています。
  2013年度は医師の問題リスト記載割合を質指標に設定したことを医局で説明し、以降毎月その測定結果を医局会議で報告しています。また、「POSに基づく医師診療記録記載の指針」をISO3次文書としてまとめました。医師の問題リスト作成を進め、患者中心の医療、チーム医療、臨床教育を向上させていきたいと考えます。

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リハビリテーション実施率

分子・分母

  分子:退院患者のうち、リハビリテーションを実施した患者数
  分母:退院患者数

備考(除外項目等)

  退院患者のうち、PT/OT/STのいずれかのリハビリテーションを実施した事がある患者数
  3日以内退院は除く

指標の説明

  急性期病院に於けるリハビリテーションは、機能等症状改善や廃用症候群・合併症などの予防や改善を目的とし、早期からの介入の重要性が問われています。また実施率は在宅復帰率などと共に重要な指標となっています。当院に於いても同様でリハビリテーション実施率は意義のあるものと考えます。

指標の種類

プロセス

考察

  2015年度のリハビリテーション実施率は前年より3.8ポイント増加し67.4%でした。入院患者3人に2人の割合でリハ介入を行ったことになります。PT・OT各1名の増員によるリハビリテーション体制の充実が要因だと考えられます。
  2014年8月から心不全チームが立ち上がり、心不全増悪で入院した患者への包括的リハビリテーションを提供できるようになり、2015年8月からは外来での心機能リハビリテーションがスタートし、紹介患者数も増加しています。
  また、糖尿病の診療パスにPTによる運動療法が組み込まれ、呼吸器疾患のリハビリテーションパンフレットの改訂を行いました。

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①紹介率  ②逆紹介率

分子・分母

  分子:①紹介患者数+救急搬送患者数  ②逆紹介患者数
  分母:初診患者数

備考(除外項目等)

  ①他医療機関からの紹介で受診した患者
  ②他医療機関への紹介患者

指標の説明

  地域の医療機関の機能分化がすすむ中、最適な医療やケアを提供するため、サービス提供者の連携が求められています。紹介率・逆紹介率は、他の医療機関との連携を示す重要な指標です。紹介率は他の医療機関からの紹介で受診した患者(紹介患者+救急搬送患者)の割合を示し、逆紹介は当院から他の医療機関に紹介した患者の割合を示します。

考察

  2013年10月に「みずしま診療所」が水島協同病院に統合し、紹介率に関する数値が大きく変化しました。2013年度は統合に伴う移行を反映した数字となっています。
  2015年度の紹介率は、前年に比べ0.6ポイント増加しています。
  2009年から、当院の医療連携室も加わった水島地域連携ネットワークを結成し、水島地域の医療機関と定期的に連携し情報共有を行っています。施設からの入院依頼や外来受診は経年的に増加傾向にあります。2014年5月には地域の33施設の協力を得て「水島地域医療ガイドマップ」を外来棟に掲示しました。
  また、逆紹介率でも2015年度は15.7%で、前年度から1.4ポイント増加しました。
  この期に入退院支援看護師を新たに配置しました。高度急性期病院からの転院受け入れ前の訪問や、入院予定患者の入院支援などに積極的に取り組みたいと考えます。

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職業歴の記載率

分子・分母

  分子:15歳以上新規患者の職業歴記載数
  分母:新規患者(15歳以上)数

備考(除外項目等)

  収集期間は6月と10月
  健康診断、予防接種は新規患者数から除外

指標の説明

  生活と労働から疾病をとらえる医療活動の実践の一つの指標として設定しました。アスベスト被害のように、診療の場で疾病の原因を考察することが可能となります。

指標の種類

プロセス

考察

  2015年度2回の計測の平均値は49.5%で、2014年度より2.1ポイント向上しました。新患患者問診表受け取り時に未記載項目の確認がわずかですが推進された結果です。全日本民医連の2015年の中央値33.75%を上回ったものの未だ不十分です。働く世代の入院が少なく、高齢者でしかも認知症のある患者も多いため職歴の聴取には困難が伴います。また、職歴の聴取が直接診療に影響する例は少なく、職歴に対する意識も希薄になっています。患者情報の必要性を周知し、職業歴に限らず未記載項目がある場合は聞き取り等を行い、診療に必要な情報を速やかにかつ適切に収集できるようさらに努力したいと思います。

参考文献等

全日本民主医療機関連合会 医療の質の向上・公開推進事業2015年間報告

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