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水島協同病院 臨床指標


医療安全の指標

①ヒヤリハット/事故報告数 ②医師の報告率(医師の報告数/ヒヤリハット事故報告総数)

①ヒヤリハット/事故報告数 ②医師の報告率(医師の報告数/ヒヤリハット事故報告総数)
備考(除外項目等)

 不具合・苦情は除く

指標の説明

 米国AHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality:医療研究品質局)は、医療安全文化評価表を作成し、そのデータを収集・分析し医療安全向上のための活動に用いています。出来事報告の頻度は、安全文化という理念を具体的行動として表すものとして医療安全文化尺度の1つに位置づけられています。
 当院の医療安全文化を測定する指標として、ヒヤリハット/事故報告数と医師からの報告率(%)を設定しました。

指標の種類

プロセス

考察

 2017年度の全報告数は1600件(前年比91.7%)、不具合・苦情を除いたヒヤリハット/事故報告数は1164件(前年比93.8%)でした。過去最高の2015年度と比較すると392件減少していますが、適正な報告数については、ベッド数の5倍とする報告もあり、適正な報告数を上回ることはできています。2017年度医師の報告数は61件(前年比78%)、報告率5.3%でした。医師の報告数が減少していますが、医師の報告率が5%を超えている病院は、医師の問題意識および医療安全に対する取り組む姿勢が高いと評価されています。
 安全文化の醸成のため、医師が先頭に立つことが期待されます。また、医師研修の観点からも研修医への報告勧奨を強めていく必要があり、研修の評価内容への組み入れなど、医師研修・医学生支援室との連携を深めることが大切です。

参考文献等

長尾 能雅『インシデントレポートは病院へのコンサルテーション。患者の治療のための前向きの業務』 週刊医学界新聞2882号 2010年

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転倒転落アセスメント実施率

転倒転落アセスメント実施率
分子・分母

 分子:アセスメント実施数
 分母:新入院数のうち70歳以上、70歳未満の自立度BCの患者数

指標の説明

 アセスメントの目的は、各患者が持っている患者要因をチェックすることで、転倒転落の危険性を総合的に判断します。このアセスメントにより危険性の高い患者を抽出することが可能となり、病棟内で重点的な対応を行うことができるようになります。

指標の種類

アウトカム

考察

 2010年度よりアセスメントシートを活用し、アセスメント実施率向上に努めて来た結果2012年度からは100%にせまる実施率となっており、2017年度も同様な推移をしめしています。また予防対策立案率も引き続き、良好な結果となっています。
 2016年度途中より、確実なアセスメント実施への取り組みとして、新入院患者毎のカルテチェックを行い、実施忘れ・記入忘れに対してフィードバックを行っています。

参考文献等

『実践できる 転倒・転落ガイド』学習研究社

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①入院患者の転倒転落発生率 ②治療を必要とする転倒転落事故発生率

①入院患者の転倒転落発生率 ②治療を必要とする転倒転落事故発生率
分子・分母

 分子:①入院患者の転倒転落件数  ②当院の事故レベル区分3b以上の転倒転落件数
 分母:入院延べ患者数

備考(除外項目等)

 転倒転落件数は、医療安全管理室に報告されたヒヤリハット/事故報告書をベースにしています。

指標の説明

 入院における転倒転落事故は、薬剤・検査に次いで多く報告される事例であり、その原因には、入院による環境の変化・疾患そのものの影響や治療・手術などの身体的なものなど様々なリスク要因があります。転倒転落を完全に防止することは難しく、中には重大な結果をもたらす場合もあります。転倒転落の防止対策では、①個々の患者さんのリスクを把握して事故の発生を可能な限り防ぐこと、②万が一事故が発生したとしても患者に及ぶ被害を最小限にするという2つの視点からのとりくみが重要です。
 転倒転落の指標では、転倒転落事故発生率と治療を必要とする転倒転落事故発生率を設定しました。治療を必要とする転倒転落事故レベルは、当院の事故レベル区分3b以上(縫合処置・筋肉関節の挫創・骨折・頭部外傷等で処置治療を必要としたもの)としました。

指標の種類

アウトカム

考察

 当院の新入院患者における転倒転落リスク患者の割合は約70%であり、リスク患者が集積しています。そのうち特に注意が必要な中~高リスクの患者は約90%を占めます。転倒転落事故の約80%が病室・ベッドサイドで発生しています。
 転倒転落発生件数・発生率は、2017年度113件(前年比80%)、1.26%(前年比78%)となりました。転倒転落発生率は低下しており、治療を必要とする転倒・転落発生率もゼロに近づいています。
 低床ベッド・離床センサーマット・クッションマット等の導入による環境対策の整備に加え、2011年度から入院時のリスクアセスメント実施率と転倒転落の予防対策立案率の向上と患者・家族への説明への取り組みを開始し、アセスメント実施率は99%、転倒転落の予防対策立案率、患者・家族への説明率は96.6%と良好な結果となっています。
 転倒転落のきっかけとなった患者の行動をみると、ベッドからの離床時やポータブルトイレへの移動時に転倒転落が起こる割合が44%を占めていました。さらに、入院時からの日が浅い患者に発生することが多いことから、リスクの高い患者の入院当初から認知症ケアチームとの協働での積極的な取り組みを進めることが必要です。

参考文献等

『実践できる 転倒・転落ガイド』学習研究社

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CV挿入時の合併症発生率

CV挿入時の合併症発生率
分子・分母

 分子:レベル3b以上の合併症件数(感染除く)(バリアンス報告)
 分母:CV挿入カルテ記録件数→ 感染 BSIデータ  新規CVC挿入件数

指標の説明

 中心静脈カテーテル(CVC)挿入は、全身管理を目的に日常的に行われている医療行為ですが、リスクを伴う危険な手技でもあります。この手技に関連したアクシデントが少なからず発生していたため、これまで再発防止の取り組みがなされています。

考察

 CV挿入に伴う合併症の発生率の低減を目標に、2013年から安全なCV挿入にむけた仕組みづくり(セルジンガーキットの導入、エコーガイド下穿刺手技の導入、CV挿入時の救急カートの設置とモニター装着、マキシマルバリアプリコーションの実施、24時間のモニタリング、挿入時のチェックリストによる安全確認、CV報告書の導入、CVC研修会への継続的医師派遣による教育・トレーニング,PICCの導入等)に取り組んできました。
 2012年度より2016年度は、治療を必要とする合併症の発生率は0~0.9%で推移し、NEJMによると合併症の発生率(6~12%)と比較してかなり良好な数値となっていましたが、2017年度の合併症発生率は3.61%と増加しています。2017年度の合併症発生事例は動脈穿刺2件、気胸1件その他1件でした。
 合併症の発生原因の検証も含め、安全な実施のため手技の改善などを進めていきます。

参考文献等

2015 医療安全全国共同行動(医療安全実践ハンドブック)

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①患者誤認発生率 ②患者誤認件数

①患者誤認発生率 ②患者誤認件数
分子・分母

 分子:患者誤認発生件数
 分母:入院延べ患者数+外来延べ患者数

備考

 患者誤認件数は、医療安全管理室に報告されたヒヤリハット/事故報告書をベースにしています。

指標の説明

 患者誤認には、患者Aを患者Bとして薬剤を投与したり検査や処置等を実施する「患者同定の間違い」と患者の同定は正しいが、別の患者の薬剤を投与したり検査や処置等を実施する「処置等の取り違え」を含んでいます。また受付時の登録間違い・書類の受け渡し間違い・書類・フィルム・検査結果への名前の誤記載等も含めています。
 患者誤認は、重大事故につながる危険性もあるため、患者誤認の発生件数を減らしていくとりくみが重要です。

指標の種類

プロセス

考察

 2017年度の患者誤認件数・発生率は44件(前年比119%)、0.16%(前年比123%)ともに前年から上昇しました。発生場面別では、内服関連での誤認が55%、次いで検査における患者誤認が38%と多いのが特徴です。入院と外来での患者誤認件数・発生率の比較では、入院の発生件数は外来の2.4倍、発生率は5.1倍となっており入院での誤認防止対策、特に内服関連における誤認防止対策が課題となっています。従来から取り組んでいる薬剤管理シートの活用や、病棟担当薬剤師の配置を生かした取り組みがいっそう求められます。
 外来での誤認件数、誤認発生率が入院より少ないのは、「患者にフルネームと生年月日を名乗ってもらい確認する」が定着していることが背景にあります。また院外処方であることも一因であると考えられます。

参考文献等

福井次矢監修『Quality Indicator2010「医療の質」を測り改善する』 インターメディカ(2010)

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針刺し・切創事故発生件数

針刺し・切創事故発生件数
指標の説明

 血液・体液暴露は医療従事者の健康や生命を脅かす重大な出来事です。特に針刺し事故は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなど危険な感染のリスクが高く、恒常的な防止策が必要です。針刺し事故を減らすには、安全装置つき器材の導入や、その正しい操作方法の習得と処理方法の徹底が求められます。

指標の種類

アウトカム

考察

 安全器材や携帯用の針捨て容器を導入し、2009年度より毎年針を扱うすべての職種を対象に『針刺し防止学習』(実技含む)を実施してきました。その結果、針刺し件数は大きく減少してきましたが、2017年度は大きく後退し過去最多の針刺し切創件数でした。内容としては口腔ケアや処置時等の患者による職員への咬傷や掻爬の増加が見られ、これらは年々増加傾向にあります。
 2017年度は指ガードの導入や対応方法を含む針刺し防止学習会の開催を実施しました。今後もサーベイランス結果の分析を行い、手順の見直しや安全器材の使用方法の学習などすすめていきたいと思います。

参考文献等

血管内カテーテル由来感染予防のCDCガイドライン 2011

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